JUDY World Network Japanese Edition

江�宸ﾌ音楽と時代 牧歌から現代叙情歌への飛翔

田園レコード時代:1983-1987　進路模索と基盤確立
1983	「li著忍耐」　故郷を離れた女性の心を描写。これを機に弱小レコード会社が大手に飛躍。
1983	「白色的夢」　li真無情、li不該輕視我などを収録。
1984	「惜別的海岸」　新旧各曲を収録して台湾全土を席巻したヒットアルバム。重版に当たりカバーデザインを変更。各種受賞多数。
1984	「還郷」　それまでの江恵を江�宸ﾉ改める。ショートヘアにイメージチェンジし、容姿の美しさにも注目が集まる。
1984	「秋風夜雨」　民謡風歌曲。時代を超えて愛され続ける台湾民謡に新しい魅力を付加。
1985	「無奈無奈」　元の路線に回帰。曲のレベルの高さの割に売れ行きは今一つだった。
1985	「不想伊」　ヒットを回復。優秀曲満載、台湾語の美しさと共に日本語曲も好評。
1985	「思相枝」　民謡風歌曲アルバム。彼女自身の人生から滲み出る魅力。
1985	「海中花」　民謡風。全曲に哀歓が満ちあふれる。
1986	「大船入港」　引き続きヒット。叙情歌手の地位を確立。「為li想替li想」がお薦め。
1986	「傷心的所在」　レコード会社、製作陣共にマンネリスランプに陥る。
1986	「母子鳥」　民謡風。情感にあふれる佳編。
1987	「薄情郎」　本人移籍を前に、レコード会社が旧作を寄せ集めて急造。
	−　これまでに日本語アルバム3枚を発表。お薦めは「愛li入骨（骨まで愛して）」。
郷城レコード時代：1987-1989　歌唱技術の成熟と発展
1987	「褪色的戀情」　新しい現代台湾女性の姿を描き、台湾語歌謡曲に新風を吹き込んだ力作。
1988	「相思夢」　最初に認められたダンス向け歌曲に戻り、ファンの支持を回復。歌唱技術も出色。
1988	「唱過從前」　曲目は過去のベスト版だが、新規レコーディングで新たな魅力を発揮。
1989	「落山風」　田園の景趣とそこに生まれる恋愛叙情と言う往事の路線を継続。
1989	「心内話」　商売よりも音楽的高度化を目指す。「阿〓的目屎」がお薦め。（〓：父／巴）
1991	「唱過從前」　曲目は過去のベスト版だが、新規レコーディングで新たな魅力を発揮。
	−　相思雨　開放式唱出有別洪榮宏味道的女性主張意識 −　港都戀歌　老歌駕輕就熟的背後，是心酸的人生經?換來
揚聲レコード時代：1990-1991　姉と共にレコード会社を設立
1990	「一個紅蛋」　伝統的な台湾語民謡を収集。乞食調、三歩珠涙、一隻鳥仔叫啾啾、〓〓弄蜈蚣、桃花過渡など。（〓：虫＋乍）（〓：虫＋孟）
1990	「難忘的陌生人」　日本語アルバム。新曲も収録、新たな魅力を発揮。
1990	「夢中情」　作風を大転換、電子楽器を採用。孤愁人は押韻に則った歌詞で、古典的魅力を創出、注目を浴びる。
1991	「愛情雨」　鄭進一のチャチャチャ・愈離愈開が好評。
點將レコード(EMI)時代：1992-1997　「台湾語の女王」の地位を不動のものに
1992	「酒後的心聲」　新境地を開拓。100万枚を突破、ゴールドディスク最優秀アルバム。
1993	「感情放一邊」　同じ路線で魅力を発揮、老若を問わず好評を博す。再度100万枚突破、年間最優秀アルバム。
1994	「苦酒的探戈」　曲風を更に厳選し、精緻さと優雅さを演出。無情人請?離開がお薦め。
1994	「悲情歌聲」　叙情歌曲の路線を維持。無言花を特にお薦め。
1995	「愛不對人」　女性の時代を迎えて、アルバム全体に現代的都会的雰囲気を匂わす。
1996	「等待舞伴」　歌曲のレベルが一段と向上。曲風は恬淡。秋雨彼一眠が特にお薦め。
1997	「藝界人生精選」　困難な状況下、既に去ったレコード会社がベストアルバムを出版。但し、選曲には不満が残る。
1998	「江�寳｢紀金選」　レコード市場の空白が長引き、EMIが2枚組CDを発売。依然、販売は好調。
大信レコード時代：1999-　台湾語の女王カムバック、新たな市場の開拓
1999	「半醉半清醒」　2年間のブランクの後、台湾語歌謡市場に最新盤を投入。再度100万枚を突破。ゴールデンタイムの主題歌にも採用。

注目曲
カバー曲	傷心的所在　　元は蔡秋鳳の曲だが、それを凌ぐと評された。
デュエット曲	洪榮宏　−　鴛鴦酒杯、一生只愛li一個 王建傑　−　心内話、最愛的人 施文彬　−　傷心酒店、傷心到何時、li我相逢、年久月深 陳傑洲　−　事到如今 伍思凱　−　秋雨彼一暝 熊天益　−　月娘a！聽我講
中国語曲	一種感覺　　陽帆とのデュエット
大合唱曲	明天會更好　「日出喚醒清晨　大地光彩重生」
	訳注： 明天會更好は、台湾（この場合は中華民国）の国際的地位低下に対する国民の不安感を拭い去る為に、国民党政権の主導で制作された曲。台湾の人気歌手全員が動員され、一節づつ歌った。

結語 「li著忍耐」の庶民の応援歌的色彩に始まり、恋人と別れ故郷を離れた感慨を歌う「惜別的海岸」「不想伊」に至る姿に先ず江�宸ﾌ実力を見る事ができる。そして、工業社会への移行と共に「褪色的戀情」での路線転換があり、平凡な心情を台湾語で歌い上げた「相思夢」や「落山風」がある。 「心内話」の三部曲は、江�宸ﾌ歌声と我々が不可分の音楽的融合関係にある事を明らかにしている。悲しみの時を乗り越えるべく投入された「孤愁人」「夢中情」は明るい時代を象徴していると言えよう、また、演歌からの脱皮を予感させる新たな草創期の象徴でもある。そして、「酒後的心聲」こそは台湾語の偉大な進歩の証であり、江�宸ﾌ地位をも不動のものとした画期的転換点である。以後続々と発表された「藝界人生」「感情放一邊」「愛到抹凍愛」「等待舞伴」では彼女自身の心情の吐露を通じて、現代都会女性の心を描き出した。 1999年、「半醉半清醒」によって新たな波動がもたらされた。江�宸ﾍ単に生活感を吐露する事に終止符を打ち、ファンの支持とプロモーションの相補関係を成立させ、新しい台湾女性としての成長を示した。ここに新たな江�宸ﾌ時代が画され、音楽ファンは最早迷う必要もなく、彼女の歌声に酔い知れる喜びを得たのである。

資料整理・提供：　明秀